驚きで一瞬言葉に詰まった

だが、次の瞬間俺は持っていた
シャープペンを置いて立ち上がっていた

その音を聞いてか聞かずか
親父の足音はダイニングの方へと
遠ざかっていった

頭の片隅に、氷月の言葉が浮かぶ

俺は1度深く息を吐いた


ダイニングに行けば
親父はスーツ姿のままだった

机の上には買ってきたと思われる
弁当が2つ並んでいる

俺も親父も自炊が出来ない訳じゃない

ただ、いつもお互いの予定が分からないから
自分の分しか用意しないし
昼食は軽く済ませることが多い