秘密の異端者 【番外編】~The repayment of favor~


リビングに入れば綺麗に掃除されていた

部屋の隅にあるピアノの上には
母の日に贈ったレコーダーが置いてある


私は落ち着いたところで父さんに声を掛けた

不思議そうにする父さんを前に
私は鞄から綺麗にラッピングされた
包みを差し出す


「父さん。いつも家族の為にありがとう。これからもよろしくお願いします。
でも、この先何があった時、助けてもらうだけなのは嫌だ。一緒に私も頑張りたい。だから、一人で頑張りすぎないでね。
…散々、迷惑かけた私が言うのもアレだけど」


ちょっと照れくさかったけど
プレゼントを差し出せば
嬉しそうに笑ってくれた


「ありがとう。これからも、頑張らせていただきます」


父さんのわざと他人行儀な言い方に
家族3人、顔を見合わせて噴き出した