「・・・・・・綾羽、記憶能力の検査、どうだった?」


お母さんが聞いてきた。


「・・・・・・全然わからなかった。何も答えられなかった・・・・・・。ごめんなさい・・・・・・。」

「謝ることないわよ。よく頑張ったね。」


他にも、りんごは英語でなんていうかとか、パンダの体の色は何色と何色かという問題とか出されたけど・・・・・・私はずっと黙ったままで、一問もこたえることができなかった。

幼稚園レベルの問題もわからないなんて・・・・・・かなりの重症だな・・・・・・私・・・・・・。


「綾羽・・・・・・お母さん、検査の結果聞いてくるから、しばらくここで待ってて?」

「うん。」

「売店でごはん食べてていいのよ?」

「・・・・・・お母さんと一緒に食べる。ウロウロして待ってる。」

「わかった。」


私は、お母さんが検査の結果を聞きに行ってる間に、病院の中をウロウロしていた。