「ハア、ハア・・・・・・綾羽、綾羽~!!!」


雨がどんどん強くなってきた。

ケータイの天気予報を見ると、大雨注意報と強風注意報が出ている。

注意報なんか気にせずに綾羽を探していると、藤樹から電話がかかってきた。


「もしもし、藤樹!綾羽いたか?!」

『いない。雨が強くなってきたから、今は自分の家にいる。美緒の方もいないみたいだ。』

「・・・・・・マジか。」

『お前、まだ外にいるのか?!』

「ああ・・・・・・。」

『バカかお前!いったん家に帰れ!雨が止んだら俺もすぐに一之瀬を探すから!』

「・・・・・・立ち止まってる暇なんかねぇんだよ!!!」


俺は乱暴にケータイの電源を切って、もう一度走り出した。


「綾羽~!!!綾羽~!!!」