私はその声から逃げるように、エレベーターに向かい急いで乗った。
早く閉まって。
ドアにそうお願いする自分がいた。
ドアが閉まると同時に、紫音の顔がチラッと見えた。
…その顔は、少し動揺しているように見えた。
ドアが閉まり、ホッと溜息をつく。
「…スズ、昨日も会社休んでたな。心配してたんだぞ。家にも帰って来ないし」
その言葉に、心臓が跳ねた。
紫音に気を取られていて、エレベーターの中の人にまで、気が回らなかった。
「…柏木部長」
…営業部の部長にして、エース。
…そして、私の彼氏。
私は、柏木聖司(かしわぎせいじ)から、逃げ出した。
「…今、どこにいるんだ?」
「…」
その言葉に、答えることは出来ない。
早く閉まって。
ドアにそうお願いする自分がいた。
ドアが閉まると同時に、紫音の顔がチラッと見えた。
…その顔は、少し動揺しているように見えた。
ドアが閉まり、ホッと溜息をつく。
「…スズ、昨日も会社休んでたな。心配してたんだぞ。家にも帰って来ないし」
その言葉に、心臓が跳ねた。
紫音に気を取られていて、エレベーターの中の人にまで、気が回らなかった。
「…柏木部長」
…営業部の部長にして、エース。
…そして、私の彼氏。
私は、柏木聖司(かしわぎせいじ)から、逃げ出した。
「…今、どこにいるんだ?」
「…」
その言葉に、答えることは出来ない。

