近江君の声は少し震えていた。 わたしはそっと腕をのばし、ギュッと近江君の制服の背中を握った。 「ずっと泣けなくてつらかったんだろ?もう泣いていいんだ」 「うぅ……っ……」 とめどなくあふれる涙がわたしの頬を濡らす。 「泣きたくなったら俺に言って。俺が志羽の泣く場所になってあげる。俺が志羽を受け止めてあげる」 夕焼け色に染まる教室の中、わたしは暖かいぬくもりにつつまれて 泣いた――…