わたしは下車するときに押すボタンに手を伸ばす。 でもあと少しのところで届かない。 「あ、もしかしてこの次のバス停で降りたらいいの?」 「うん。便利だよね、高校の目の前にバス停作ってくれるって」 「ああ、そっか。高城高校っていうのか。俺が今日から通う高校」 ……別にいいんだけどさ、自分が通う高校の名前くらい把握してようよ……。 すると近江君がボタンを押した。 身長高い人ってやっぱり腕も長いんだなーと、当たり前のことを思いながら近江君の腕を見る。 「…ん?何?」 「……なんでもなーい」