「そんなに、前に……」 「うん。でもね、雪音ちゃんが理人を好きって気づいたのは最近なの」 優里枝ちゃんは遠い空をじっと見つめる。 陽の光が少し眩しいのか、目を細めて。 「私ね、雪音ちゃんにがんばってほしいなって思ったの」 「え……?」 「雪音ちゃん、すごく優しくて。もう私があの人のカノジョになれないなら、そんな優しい雪音ちゃんにカノジョになってほしいな」 それは、きっと優里枝ちゃんが口にするのに勇気がいった言葉だろう。 ライバルの子の応援なんて。