しかも、俺の今の好きな子と仲良くなってるし。


優里枝と雪音は少し似てるから、気が合うんだと思う。
ふたりともお人よしで、明るい。



声のでかさは優里枝の方が圧倒的に上だけど。

黒板を一緒に消している優里枝を雪音を見て俺は小さくため息をつく。
優里枝が雪音を独占しているせいで渡したいものも渡せない。



ポケットの中に手を突っ込み、雪の結晶の形のパッチンピンを取り出す。



これは昨日、母さんにもらったもの。

母さんはアクセサリーのデザインの仕事をしてる。
それで試作品として持って帰ってきたんだ。