「え、それはないよ」 断言できる。 近江君はビックリしたような目でわたしを見てくる。 「だって近江君は優しいでしょ?……わたしに、泣く場所をくれた」 「……俺が優しいのは志羽限定かもよ?」 「そんなことないよ」 だって、ひとりの人だけに優しくできる人なんてそうそういないもん。 優しい人は誰にだって優しく接する。 近江君はそれに気づいていないだけだよ。