わたしはふと思い出して、持ってきたみかんを紙袋から出して優太に渡した。 「優太、みかん食べよう。おばあちゃんの家からたくさん送られてきたの」 「やった。ちょうどのど乾き始めてたんだ」 わたしと優太はみかんを食べながら他愛もないことを笑顔で話した。 ―***― 運命の日。 わたしは白いコートを着込み、お気に入りの桃色のマフラーを首に巻いて病院へ向かった。 夕日でオレンジ色に染まる歩道を走って、わたしは病院に到着。