*雪音side*



赤い葉っぱがすべて落ちて、吐く息が白くなり始めたころ。

わたしは手にオルゴールを持ってある場所へ向かう。



息を切らしてその場所に到着して、ガラッと扉を開けると君は笑顔で言うんだ。



「いらっしゃい。こけなかった?」



その笑顔と言葉が大好きで。


わたしはどんなに疲れても走ることをやめられないの。
1秒でも早く君に会いたくて。



「こけなかった!!これ、お土産ね?」



そう言ってわたし…志羽雪音(シバユキネ)はオルゴールを、ベッドの上で本を読んでいる男の子に渡した。