『それで、諭は?

 なんでバカで鈍感でガキな女なんて好きなの?』





バカで鈍感でガキ…



全部お前を説明している単語なんだけれども。







『そういう女の方が可愛いから?』




俺の返事に由香は首を傾げる。





『いや完璧女子の方が自慢出来るじゃん!』





いやいや誰に?


誰に自慢すんのよ?






『あのな、恋愛にも見分相応っていうのがあんだよ。

 類は友を呼ぶ、みたいに類は恋人を呼ぶみたいな?

 自分と同じ様なレベルの奴の方が気も話も合うだろ』






『じゃ、諭と好きな子は同レベルなんだ?』





由香の言葉に俺の言葉が詰まる。





ん?



由香と同レベル?




それって俺もバカで鈍感でガキ、ってこと?








『…いや訂正するよ。
 俺より以下、な存在だな…アイツは……』





絶対に違う。


俺は由香と違ってバカじゃない。


鈍感でもガキでもない。




俺は由香よりも勉強は出来るし、敏感な方だし、冷静な判断が出来る方の人間だと思ってる。



ってことは…


俺と由香は同レベルじゃない、つまり類は恋人を呼ぶに当てはまらない。





あ、だから由香とは友達っていう領域を越せない、のか?







いや、違うかー…