『そういえば諭、気付いてた?』
由香に問いかけられ、首を右に傾げる。
『どうして席替えで隣になる確率が高いのか』
由香はニコニコと笑いながら、問いかける。
あ、確かに。
中学入ってから、ずっと思ってたんだよな。
隣になる確率が高いって。
『席替えの方法、いつもご対面でしょ?
いつも諭が座る席、啓太君に教えてもらってたんだ!』
由香から出た、啓太とは俺のダチ。
そんで席替えの度に啓太が由香に教えてた?
『啓太、グルかよ!』
俺がそういうと由香は“やっぱり気付いてなかったんだ”と言って大笑い。
『やっぱり諭も鈍感だね!』
あーぁ…。
由香に“鈍感”って…。
『でも、鈍感な諭も好きだよ』
そう好きな女に言われたら。
まぁ、反撃の言葉もなくなるわ。
『………どうも。』
照れながらも答える俺に由香は優しく微笑んでいた。
END