『由香、救済目的なんかじゃない。
ただ、俺はお前のことが好きだから。
俺と付き合ってよ…』
すっげー緊張する。
とても冷静なんかじゃいられない。
『……いいよ』
そう言って微笑む彼女は、本当に嬉しそうな顔で。
それを見た俺はもっともっと嬉しい気持ちになって。
『けどさ、由香…。
確か…好きな奴のこと、頭よくて、格好よくて、足が速いとか言ってなかったっけ?』
『言ったけど?』
『俺、当てはまってない気がするんだけど…』
『私より数学が出来る!
この間だって告白されてたし!
それに陸上部のエースだし!』
由香より数学できるって…
由香、赤点じゃん。
そんな奴と比べられても…
告白も名前も知らない、結構微妙な奴からだったし。
陸上部のエースは…自称、だけど。
まぁ…いっか。
とりあえず、由香と両想いだし!
由香を彼女に出来たんだし!

