今日も鈍感な君に振り回されて



初めての告白。


目の前にいる由香は俺の告白にポカーンとした顔を見せてくれる。



本当に俺の想いに気付いてなくて。


本当に俺から告白されるとか思ってなくて。




すっげームカつく。



すっげームカつく、けど。




やっぱり俺はその間抜けな顔さえも愛しいと思ってしまう。







『……私のこと、嫌になったからじゃないんだね……私のこと、好き、だったんだ…?』




上目遣いで俺に問いかける由香。



頼むから上目遣いとか、すっげー可愛いことしないでください!


…なんて心の中で言ったって、特にこのお馬鹿ちゃんは意識してやってる訳じゃないんだろうし。






『ねぇ、諭。

 最初から私のこと、好きなら好きって言ってよ?

 私、諭から避けられて…色々考えちゃったじゃん…』







『……何を』





『ねぇ、諭はさ、私のこと、バカで鈍感でガキって3単語で表現してくれたけど。

 私の好きな人もバカで鈍感でガキの3単語で表現出来るよ?』






由香の好きな奴もバカで鈍感でガキ…?






『私の前で好きな女の子の話をベラベラと話しちゃってさ?

 全くもって女心なんて理解してない、大バカ者でしょ。

 それで私の想いに気づかないで、あろうことか冗談半分で“付き合う?”とか有り得ないでしょ、てか私の想いに気付かなさすぎ!

 本当に鈍感でどうしようもないよ!

 それでいて私が話せる人はいるとか嘘つけば簡単に“そいつに頼れ”とか…

 それで私のことを避けるとか、どれだけガキなんですか、諭!?』




言い終えた由香は肩で息をするほどで。


でも最後に“諭”と俺の名前を呼ばれて、初めて由香も俺のこと…って本気で疑えてる気がする。