『別に。
 お前は何もしてないよ?

 ただ俺がお前といるのが疲れるだけ』




疲れるだけ。


お前の好きな奴はどいつか知りたいくせに、好きな奴にどうしようもないほど嫉妬するのも。



お前の幸せを願いたいくせに、俺以外がお前を笑わせるのは嫌で。



どうしようもない想いに焦ることも、不安になることも、嫉妬するのも。







『……そっか。

 私……嫌われちゃったんだね…』




由香のその一言に胸がズキッと痛む。



由香を嫌いになった訳じゃない。


由香のことは、ムカつくけど、やっぱ好きで。








『好きか嫌いか、どちらかの選択肢しかないなら、今の由香は嫌いに入るかもな』





『……そっか。
 ……なんか、ごめん……。
 嫌われている分際で話かけたりなんかして…』



由香は謝る。

由香が謝る。



ごめんな、

ただ俺が小さいだけ。

心が狭いだけ。




ごめんな…。