別に避けようと意識してる訳じゃない。
ただ、なんとなく由香と顔があわせにくいだけで話しかけにくいだけ。
『あのさ、諭。
昨日さ、電話すればって言ってくれたよね?』
『言ったけど』
言ったけど、なんだって言うんだ。
だから、なに、って話なんですが!
『今日さ、電話しても、平気かな…?
私の話を聞いてくれそうな人に』
由香は顔を上げて、そう問いかけてくる。
『別にいいんじゃない?
そいつはお前の話を聞いてくれそうな奴なんでしょ?
なら、いいんじゃない?』
『分かった。
私……電話してみる!』
何かを決心したような、そんな顔で話す由香。
別に俺に聞かなくても勝手に電話でもなんでもしろよ、って話ですが!

