中は暗かった。

明かりはついておらず、人の気配もない。

「確かここ、無人の屋敷って言われてたような…」


今更ながら、本当にここであっているのか不安になってきた。


「ごめんくださーい…。櫻井小鳥です」

微かに声を震わせて小鳥は呼びかけた。

キョロキョロと左右を見回しながら数歩前へ出る。

すると――。



――バタンッ



「きゃ!?」

突然、玄関のドアが勢いよく閉まった。

「な、なんで!?私、触ってな――」

真っ暗闇の中、不可思議な事態に驚いていると、ガコンという音がして急に足元の床が抜けた。


「えっ!?きゃあああ!!!!!」


落とし穴でもあったのか、身体のバランスを崩して下へと落下する小鳥。