「……ケンカ売ってる?」
「心外だな。俺は低次元な争いをするために君を呼んだんじゃないよ」
「じゃあ、なんだよ」
膨れっ面になるルカを横目に静理はたんたんと言った。
「小鳥ちゃんが白魔に飲まされてた薬、例のあれなんだって」
「は?例のあれ…?って……まさかオーレリアンの!?副作用がヤバイあれ!?」
「そう」
「どうするんだよ!」
「そこで俺の提案。君が相手をしてあげるのはどうかな」
おいしい兄の提案に、ルカはちょっと迷ってから声を上げた。
「俺は……む、無理!無理だよ!」
「無理かい?」
「無理!!小鳥に怖いことはしないって断言したんだからな!」
ルカは静理にビシッと指を突き付けた。
「どうしてもヤバくなったら、静理が相手してやれよ!お前、そういうの得意だろ!」
言い終わるとルカは急いで部屋を後にした。
「怖いことはしない……ね」
果たしていつまでそんな甘いことを言っていられるのだろうか。
「見物だね」
嘲り混じりの独り言は薄暗い室内に虚しく消えた。



