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 薄暗いコンピュータ室で独り、フェオドールは目を細めて画像を眺めていた。


「失礼するよ」

ドアを軽くノックして入ってきたのは静理。

彼はボンヤリと椅子に座ってコンピュータの画面を見ているフェオドールを発見すると、呆れたような表情をした。

「フェオ、仕事サボってここにいたのか。どう?眠気は覚めた?」

「…………」

呼びかけても無反応。

「フェオ?どうしたの?」

気になって尋ねると、ゆったりとした口調で返事が返ってきた。


「白魔がマドモアゼルを吸った」

「ああ…手が早いな」

彼らが見つめる画面には白魔のシアターが映し出されている。

この屋敷の各部屋には防犯カメラが設置されており、全てをこのコンピュータ室で見ることができるのだ。

白魔のシアターも例外ではない。

「ここで見てたのに、助けに行かなかったのかい?」