捕食者は甘く囁く。

「ねぇ、ダメ?僕の牙で…堪能させてよ」

「や…やめて!!いやっ!」


吸血される。

そう直感的に悟った小鳥は怯えながら暴れ出した。


「痛いのが嫌?なら…」

白魔は押し倒していた小鳥を抱き起こし、服のポケットから小ビンを取り出した。

「な…に…?」

掌サイズの小さなビンには液体が入っているようだ。

涙目になった小鳥がビクビクしながらそれを見つめていると、小ビンの栓を開けて白魔が微笑した。


「これは痛みを感じさせなくする薬さ」

「え…そんな薬が…?」

いかにも怪しい薬に、小鳥は警戒して白魔を見る。

「麻酔と同じだよ。これを飲めば、鋭い牙の痛みはわからなくなる」

白魔は天使のような微笑を浮かべながら小ビンを小鳥に差し出した。


「さあ、飲んで」