彼の声は微かに震えていた。
「力で捩じ伏せて閉じ込めて、相手の心をズタズタに傷付けても、それは完璧じゃない」
白魔のアメジストのような瞳に小鳥の顔が映る。
「真に相手を自分のものにするためには、何者にも侵せない…永遠なる死を与えてあげなければ…」
今にも涙を零しそうな白魔の瞳に、小鳥は激しい狂気を見たような気がした。
「死とは不可侵にして神聖なものなんだよ」
首筋をそっとなぞられ、ビクリと身体が跳ねる。
「僕に愛された者は、死ぬことによって僕の完全なる愛を得るんだ」
まだカルメンのオペラが流れる中、無言で見つめ合う。
少しして、小鳥がおもむろに口を開いた。
「やっぱり……白魔さんの言うことは、よくわかりません…。私は、好きな人には生きてて欲しいです。けど…」
「けど?」



