声変わりをして青年らしくなったオーレリアン。

愛らしかった見た目も、成長したおかげでより男性的になってきた。


「ただいまー」

ガチャリとキッチンの扉が開き、帰宅した末っ子が顔を出す。

「お帰り、誓也(せいや)」

「ただいま、静理兄さん。これだけ買えば平気かな?」

買ってきた食糧品をテーブルに並べていく黒髪の青年、誓也。

その手に黒薔薇の指輪をはめている彼は正真正銘、小鳥と血の繋がった弟だ。

妊娠していた小鳥の母親から生まれた子供はまたしても男の子だったわけである。

「誓也、これの片付けは俺がやっておくから、小鳥ちゃんを呼んできてくれないかな」

「えっ、姉さんを?」

「メスブタのこと姉さんて呼ぶのやめろよ。今はお前の方が年上なんだからさ」

鋭い目つきのオーレリアンに睨まれて怯むも、誓也は視線をそらして言い返した。

「けど……俺の姉さん…なんだろ?」

「確かに、ね…」

静理が同意しているとルカが会話に加わってきた。

「ねえねえ、小鳥を呼びに行くなら俺が行く!今回の小鳥は俺のだから…いいでしょ?」

「別に構わないけれど……ルカ、ご飯の用意は?」

「終わったよ。後は炊き上がるのを待つだけ」

「ならルカ兄さん、よろしく」

「おう!」


こうしてルカはキッチンから出て行った。