ソファーに横たわるルカに呼び掛けた時だった。

廊下から清んだ歌声が聞こえてきた。


「Ah!Ridi,Pagliaccio,sul tuo amore infranto!」


――ああ!笑うんだ道化師よ、

お前の愛の終わりに!


「Ridi del duol,che t'avvelena il cor!」


――笑え、お前の心に毒を注ぎ込む

その苦悩を!


聞き覚えのある歌に、小鳥は顔を青くした。

『キケンだよ!キケンだよ!』

クマのぬいぐるみは告げる。


――危険


「白、魔…さん…?」

コツコツと寝室へ近づく足音。

ゆっくり、ゆっくり――確実に。


『キケンだよ!キケンだよ!』


ゴクリと唾を飲み込んだ瞬間、カチャリと音がして寝室の扉が開かれた。