ドカッ――!!
ムチが唸り、壁を叩き割る。
標的となった部分にヒビが入った。
「カロン……」
静理の愛想の良い笑みは剥がれ、絶対零度の眼差しがカロンを貫く。
「真面目に聞け」
「えー、静理の説教だりぃ…」
そんなきつい眼差しをものともせず、一つあくびをするカロン。
すると、ピシリとムチが床を叩いた。
「カロン、今日は暇なんだろう?小鳥ちゃんの新しいパンを買って来い」
「は?なんで俺が」
「いいから、買って来い」
「えー…」
まだ渋っている弟にどちらが偉いか身をもってわからせるべく、静理はカロンの口にカビたパンを突っ込んだ。
「むぐっ…!?」
「さっさと行け――」
さすがに観念したのか、カロンはパンをくわえたままリードを引きずり居間から退散した。



