皮張りの黒いソファーに並んで腰掛ける。
ランプが暖色の明かりを放ち、ルカの白い頬を赤く染めた。
「あの、さ」
「はい」
「父さんが、急に変なこと言い出してゴメン…」
元気なく俯いてしまうルカ。
「あ、謝らないで下さい…!ルカくんが悪いわけじゃないですし…」
「けど、小鳥…悩んでるだろ?困ってる、だろ…?」
ルカはその清んだ青い瞳に小鳥を映した。
「俺で良ければ…相談に乗るから」
「ルカくん…」
ルカの頬が赤いのはランプのせいなのか、それとも――。
ぼんやり見つめていると、ルカがクルリと背中を向けた。
そして、ソファーの上で体育座り。
「だあああっ違う!俺が言いたかったのはこんなことじゃなくて…!」
抱えた膝に頭を埋めるルカの耳は疑いようもなく真っ赤だった。
「ルカくん…?」
「そりゃあ確かに小鳥の力になりたいけど……小鳥が他の奴を選ぶなんて…嫌だから…」
顔を上げ、振り返る。
ルカの熱を帯びた切ない眼差しが小鳥を捉えた。
「俺に、しない…?俺を見てよ、小鳥」
ルカの顔が迫る。
そして、不意打ちだった。
そっと手を重ねてきたルカに、小鳥は唇を奪われた。



