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 就寝時刻だがまだまだ眠れそうにない。

目が冴えてしかたない小鳥は一人、部屋の柩に寝そべり物思いにふけっていた。

黒い柩には蓋がついているが、小鳥はいつも開けっ放しで寝ている。

闇が濃い天井を見つめながら彼女は小さな吐息をこぼした。


「誰にすればいいのかな…?」


定まらない気持ち。

タイムリミットは明日。

早く決めてしまいたいのに考えれば考えるほどわからなくなっていく。


「どうしよう…」


誰にも相談できない。

相談相手がいれば少しは楽なのに。

そう思っていた時。



――コンコンッ



突然の控えめなノック音に小鳥は肩をビクリと震わせた。

恐る恐る扉を開けてみると、闇に輝く金髪が視界に映る。

「ルカくん?どうしたんですか?もうお休みのはずじゃ…」

訪問者はルカだった。

「ちょっと小鳥と話がしたくてさ…。今、いい?」

「はい。どうぞ、入って下さい」

「ああっダメ!小鳥の部屋に入るとか無理!その……いろいろ自信ないからさ。居間とか…は誰か来たらマズイか。よし、サロンで話そう!来て」

来てと言われて素直について行く。

小鳥はルカと二人で書斎の前にあるサロン部屋へ入った。