「私は……選べません」


縮こまって小さな声を出す。

するとジェラルドがフゥと溜息をついた。

「そうかい、困ったね。どうする息子達。君達がイケメンすぎて小鳥ちゃん、一人にしぼれないそうだよ」


(だ、誰もそんなこと言ってません…!)


単に誰を指名しても迷惑をかけてしまいそうで申し訳なかったからなのだが。

ちょっと違う解釈をされてしまった。


「なら僕でいいじゃない。喜んでプリマドンナのフィアンセになるよ」

笑顔全開で迫ろうとする長男に対し、ルカが待ったをかける。

「だーかーらー!白魔は小鳥にいつナイフ向けるかわかんないから任せらんないって!」

「いやはや、困った困った」

顎に手をやり「うーむ」と唸るジェラルド。

「小鳥ちゃん、もう一度よく考えてもらえないかな?明日まで待つから、別の答えを聞かせてほしい。息子達の前で言いづらかったら、私にそっと教えておくれ」

「は…はい……」

考えろ、と命じられた。

どうやら絶対に誰か一人を選ばなければならないようだ。

小鳥は憂鬱げに俯いたのだった。