「お待たせ」
「さっすが静理!早かったな」
一分もかからなかった。
静理はムチでグルグル巻きにした男子を一人、ルカの前に連れてきた。
「テメー!なにすんだよ!!放せっ!!」
左目の下に泣きぼくろがあるその男子は静理を睨みつけて暴れる。
「あれ?こいつ見たことあるような……ああっ!!バズーカ野郎!!」
「バズーカ野郎ってなんだよ!オレは魔冬千夜だ!」
歓迎パーティーの時にバズーカを構えていた少年。
思い出して静理も納得する。
「ああ、魔冬氷河の兄弟か」
「お前らクラヴィエ家の奴らだよな!なにしに来たんだよ。アニキに用か?」
「察しがいいね。その通りだよ」
「魔冬氷河の居場所を教えろ!実力派の寮にいるんだろ!?小鳥を返せ!」
怒鳴るルカを見て千夜はニヤリと笑った。
「ははーん。さすがアニキ。もう拉致ったのかよ」
「寮の場所を教えてくれないかな。言いたくないなら強引に吐かせるけれど」
凍てつく瞳で静理が千夜を脅しにかかる。
と、その時――。
「ねえ、何やってるの?」
近くでノンビリした声が聞こえた。
三人が一斉に振り返ると、黄色いヒヨコのぬいぐるみを抱きしめた男子がいた。
「紫音(しのん)!」
「あ!爆弾魔!」
ダークレッドの髪にベビーフェイス。
小鳥に爆弾入りのぬいぐるみウサギをプレゼントした危険人物がジッとこちらを見つめている。



