「任務中ですけれど、わたくし一人ではありませんわ。人で無しの氷河とペアですの。あ、わたくしのことは野薔薇と呼んで下さいませ」
氷河の名前を聞いて小鳥は一瞬ビクンと肩を震わせた。
魔冬氷河。
あの青年は怖い。
彼は人間を激しく憎悪している。
軍人は人間嫌いが多いという話だったが、彼の場合は単なる「人間嫌い」では済まされない。
そんな印象を受けた。
「……野薔薇さんは…私のこと、大丈夫なんですか?」
「え?何のお話ですの?」
「その…私……人間ですよ?」
キョトンとしていた野薔薇だったが、合点がいったらしく小さく笑った。
「わたくしは氷河とは違いますわよ。人間だから嫌いになることはありませんわ。闇人にだって嫌な奴は大勢いますもの。人間も同じ。嫌な奴だけじゃなく、善い人間もいますわ。あなたみたいなね」
「わ、私は…!そんなっ!」
「ふふ、謙遜ですの?蜜莉が気にいった子ならいい子に決まってますわ」



