「貴様は人間だが、気をつけろ。誘拐犯が間違えてさらっていく可能性もあるからな」
小鳥に近づき、彼女の頭を優しく撫でる漣。
心配げな眼差しの彼に忠告を受け、小鳥は目を丸くした。
箱の中で手を舐めてきた変態と本当に同一人物なのだろうか。
第一印象は最悪だったが、意外といい人なのかもしれない。
「小鳥のことは俺達が守るから大丈夫だよ」
ルカが漣の手を小鳥から払いのけた。
「小鳥、行こう」
再び手を繋ぎ、先への扉に向かう。
「カロン!何やってんだよ!置いてくぞ?」
未だオレンジ色の髪が目立つルウトと睨み合っているカロン。
「ルウト、俺様達はここで張り込みを続けるぞ」
「チッ…はいはい」
つまらなそうな表情で釘バットを担ぎ直すと、ルウトは来た道を戻っていった。
カロンとルカ、小鳥も歩き出す、が。
「おい待て。これをやろう」
「え?」
唐突に小鳥の手を掴み、何かを握らせた漣。
「そこのドアのカギだ。開けたら返せ。閉めるから」
こうして木戸のカギを手に入れた小鳥達は、何も破壊することなく無事にお化け屋敷から脱出できたのだった。



