カロンが木箱を乗せた台を勢いよく蹴り飛ばした。
その間、ルカが小鳥の手を掴んで木箱から引き抜く。
「小鳥!俺のハンカチ、良かったら使って」
「あ…ありが、とう…」
嫌悪感を払うべく、差し出されたルカのハンカチで舐められた手を遠慮なく拭いていく。
小鳥がちょっと落ち着きを取り戻した時、カロンが台の下に潜んでいた男を引きずり出した。
「あんたか。俺のペットを許可なく舐め回した変態は」
カロンに胸倉を掴まれている男は軍服を着た黒髪の青年だった。
(あれ?あの軍服って…)
詰め襟に逆五芒星。
見覚えがあり、小鳥はハッとした。
「軍学校の、人…?」
「あ!ほんとだ!」
ルカも目を見開く。
「ほう、俺様の正体を一目で言い当てるとは。貴様なかなか優秀な諜報員になれるぞ」
胸倉を掴まれたまま余裕そうに唇をつり上げる青年。
カロンはそんな獲物を冷めた目で見下ろした。
「で?軍学校の生徒がこんなとこで何やってんの?サボり?」



