手招きされて仕方なくカロンについて行こうと決めた時、廊下に別の声が響いた。
「あ、ここにいたのか。小鳥!」
「ルカくん…!」
ナイスタイミングだ。
ルカなら手錠を外すようカロンを一緒に説得してくれるかもしれない。
小鳥の表情が明るくなる。
「あれ?手錠?おいー、カロン!」
近寄ってきたルカは小鳥の手首を見て呆れたように息を吐き出した。
「手錠外せよ。小鳥が困るだろ?」
「ムリ。俺の計画では、このままライブ会場まで拉致る予定だから」
「ライブ会場?カロンさんのライブですか?」
「そ。今日、これから。チケット渡しとく」
カロン達のライブならちょっと興味がある。
思わぬお誘いに小鳥が行く気になってワクワクしていると、ルカが慌てた様子で割って入ってきた。