「そうだ!小鳥ちゃんを紹介しよう」
突然、自分の名前が飛び出て小鳥はもちろんビックリ顔。
(ふえ!?紹介!?うわわ、こっち来るよ…!)
傍にはルカやカロン、蜜莉もいるが、やって来たジェラルドと軍人の青年に緊張MAXだ。
「この子が私の新しい家族。人間の女の子、櫻井小鳥ちゃんだよ。仲良くしてくれると嬉しいな」
ジェラルドに肩をポンと叩かれる。
小鳥は恐る恐る青年の顔を見上げた。
(うわ…近くで見ると美形さんだ…)
少し癖のある短い黒髪。
目はやや垂れ気味で、左目の下に泣きぼくろがある。
カッコイイというよりも色っぽい顔立ちだ。
「人間……」
見惚れていたら、青年のぎらついた赤い瞳と目が合った。
(っ…!怖い…!)
その眼差しが好意的ではないと悟るのに三秒も要さなかった。
深い憎悪を向けられ、全身に悪寒が走る。
「小鳥ちゃん、こちらは魔冬(まとう)氷河くん。軍学校のエリートでね、将来が楽しみな子なんだよ。うちの愚息達とは大違いさ」
「父さんヒデー」
ルカが冷静にツッコミを入れた時だった。