「ねえ、小鳥。僕が殺すまで死んじゃダメだよ?」

白魔の顔が小鳥の瞳に逆さまに映り込んだ。

頭の方から顔を覗き込まれ、冷たい指先で頬を包み込まれる。

――と、白魔の顔がゆっくり首筋に近づいてきた。

「白、魔…さん…?」

迫る吐息に小鳥が小さく首を傾げていると、フェオドールの顔がサッと青くなった。

「やめろ白魔!!」

フェオドールの叫び声とほぼ同時だった。

「っ――!!!!!」

傷口に入り込んできた別の牙。

白魔によって再び痛みを与えられ、小鳥の目が大きく見開かれる。

「ん……フフッ」

わざとらしく音を立てて啜る白魔は小鳥の反応を楽しみながらフェオドールに独占欲を見せつける。


ようやく白魔の牙が離れた頃、小鳥は意識を手放していた。