屋敷に到着して、静理は真っ直ぐ小鳥の自室へ向かった。
部屋に入るなり柩に寝かせられた小鳥は、彼を見上げて感謝を述べる。
「ありがとうございました…」
「どう致しまして。小鳥ちゃん、俯せになってくれないかな?」
「え、なぜですか?」
「傷の具合を確認したいんだ」
不安げな表情で見つめられたら文句など言えない。
小鳥は素直に俯せになった。
「ごめんね。触るよ」
「え?」
急に背中が寒くなり、ビクリと震える。
静理の手が服をたくし上げたと気づくのに時間はかからなかった。
「ああ……やっぱり。赤くなってる」
曝された白い肌に一筋の紅(くれない)。
血は出ていないが、腫れているので何とも痛々しい。
静理はゆっくりと傷をなぞると、慣れた手つきでブラジャーのホックを外した。
「し、静理さん!?」
胸元の締め付けが緩んだ感覚に、思わず声を上げる。
すると静理は形の良い唇をつり上げて笑んだ。
「傷にかかっていたからね。外してしまったよ」
再び指で赤い線をなぞる。
それがくすぐったいのか、小鳥の背中が小刻みに揺れた。



