「その……小鳥ちゃん」
「はい?」
そっぽを向きながら話し掛けてくる静理。
彼の顔を見ようと小鳥が首を傾けた時――。
「あ…ありがとう…」
ほんのりと頬を赤らめた静理が伏し目がちに感謝を述べた。
「そ、そんな…感謝される程の、ことでは…」
いつもの、爽やかに微笑む静理ではなくてドキリとする。
小鳥の頬も熱くなった。
「…あの…か、買い物してきますね!」
真っ赤であろう顔を見られたくなくて、買い物を理由に勢いよく立ち上がる。
しかし静理に腕を掴まれた。
「待って…!今日はもう…屋敷に帰ろう」
「え…でも買い物が…」
「後でルカに来させるよ。君は買い物リストを作ってくれればいいから」
言うが早いか、静理は立ち上がると小鳥の身体を抱き上げた。
「きゃ…!」
お姫様抱っこをされ、そのまま運ばれる。
「あ、あの!静理さん!自分で歩けますよ!?」
「傷に響くといけないから、俺が抱いて帰るよ。拒否は無しだからね」
至近距離で微笑んだ静理はいつもの表情に戻っていた。



