この弱々しい声を耳にして我に返る。
静理は小鳥の背中に恐る恐る腕を回した。
そして背中の痛みに顔をしかめる小鳥をベンチにそっと寝かせる。
「あらら~。割って入るなんて馬鹿な子ねぇ~」
「………」
静理は元凶を無視して小鳥の頬を優しく撫でた。
「アルちゃんのせいよ~?あたしにこんなモノ使わせるんだからぁ」
話し掛けても、相変わらず無視を決め込む静理。
「このっ…聞いてんのかよっ!!」
どうやら静理の知り合いは感情の起伏が激しいようだ。
二度目の攻撃が静理に向かって飛んでくる。
が――。
「……うるさい」
ヒュンッと唸ったムチの先を、静理が素手で捕まえた。
「なっ!?」
ビックリして瞬きを繰り返す相手を、殺気立った眼差しで睨みつける。
静理は素早い動きで小太りな身体に襲い掛かると、赤い瞳を妖しく光らせ獲物の喉に容赦なく噛み付いた。



