静理と小鳥が降りた駅の看板には「人間居住区(闇人はお断り)」とでっかく書かれていた。

「あの…静理さん」

「ん?なんだい?」

「闇人お断りって出てますが……静理さん平気でしょうか…?」

「ああ、問題ないよ。理由を説明して許可をもらってくるから。ちょっと待ってて」

そう言うと静理は駅にいたおっかない目つきの男性に話し掛ける。

警官のような制服を来たその人物は、話を聞き終えると静理の手の甲にスタンプを押した。


「お待たせ。行こうか」

にこやかに笑う静理に優しく背中を押され、改札を出る。

「あの、今のは…?手に何か押してたみたいですけど」

「闇人が人間居住区に入るには、このスタンプが必要なんだよ。居住区内に入ることを許された証しとしてね」

手の甲を小鳥に見せながら説明してくれるが、そこには押されたはずのスタンプが見当たらない。

あれ?と首を捻る小鳥に気づき、静理は上品に笑った。

「消えたわけじゃないよ。特殊なライトを当てないと見えないんだ」