「し…知らない牙痕…!これって、要するにオーレリアンって、こと…!?」

オーレリアンの牙痕はレアものなのでほとんど見たことがない。

兄達のものならハッキリわかるため、ルカは辿り着いた結論に目を丸くした。


「本当にオーレリアンなのかな?」

「あー…マジだろ。これ」

白魔とカロンがしげしげと眺める横で、ルカが末っ子に向かって吠える。

「なんで吸ったんだよ!しかもかなり酷くしただろ!」

すると、苛立った様子のオーレリアンが、バンッと音を立てて本を閉じた。

「さっきからギャーギャーうるさいんだよ、サル」

「サルって、お前な~!質問に答えろよ!」

ルカの追及に溜息をついてから、オーレリアンはソファーに寄り掛かり足を組む。

「ああ、そうだよ。僕がやったさ。けど、それが何?白魔とかカロンだって陰でこそこそ味見しまくってるんでしょ?なんで僕だけグチグチ言われなきゃなんないんだよ」