「お前さ、まだフラフラなわけ?」

引っ張られた勢いでドサリとソファーに逆戻り。

呆れた眼差しのオーレリアンに苦笑いを返す。

「すみません…」

「ふーん」

さして興味もなさげな様子で小鳥を見遣る。


「早く消えてほしいところだけど……いいよ。役立たずなメスブタを僕が有効活用してあげる」

すると突然オーレリアンは寝転がり、自分の頭を小鳥の膝に乗せた。

「えっ?オーレリアンさん…!?」

「一時間、僕の枕になれ。動いたら今度こそ身体中の血液全部飲み干してやるから」

一方的に言うとオーレリアンは瞼を閉じた。


(これは…オーレリアンさんなりの優しさ?)


体力が回復するまでここに座ってろという意味だろうか。


「ありがとうございます…」


小鳥はそっと彼の金髪を撫でた。

サラサラで、指通りがいい。

指に心地好さを感じていると…。


「お前の手……あったかい…」


目を閉じたまま、柔らかくオーレリアンが微笑んだ。

普段ピリピリしている彼からは絶対に想像できない。

その表情は写真で見た幼い頃と同じで、天使のように愛らしかった。