水に濡れる髪をかき上げる。

その動作がなぜか色っぽい。

「あんたもおいで。ここにいたら風邪ひく」

「あ、はい…!」

手招きするカロンに従い小鳥は特別なペット部屋から出た。


ペット監禁部屋を通過し寝室へ。

監禁部屋も寝室もスプリンクラーは作動していない。

なぜあの部屋だけ誤作動が起きたのか首を傾げていると…。


「あ~……あんた、運いいな。頭冷えて萎えたから見逃してやる」

カロンが廊下へ通じるドアを開けた。


(よ、良かったぁ…)


あからさまに安心する小鳥を見て、カロンは釘を刺す。

「けど気をつけな。ここん家、ケダモノだらけだから」

親切な忠告に小さく頷く小鳥。


二人廊下に出ると、カロンはコンピュータ室に向かおうとして足を止めた。


「そうだ。それはあげる」


「それ」と指差したのは、未だ小鳥の首を飾るカロンお手製の首輪。

「え?これを?いいんですか!?この首輪、大事なんじゃ…」

「いいの。あんた、似合うから」


それだけ言うと、今度こそカロンは歩き出した。