もう逃げられない。
わかりきっているのに、カロンは壁に手をついてさらに小鳥の退路を塞いだ。
意図せず壁ドンの体勢に持ち込まれピンチとしか言いようがない。
しかもカロンは190以上もある長身だ。
視界全てが彼の身体で覆われる。
(どうしよう…!)
ビクビクしながらカロンを見上げると…。
「………ヤバイ」
カロンがポツリと呟いた。
「え?」
何がヤバイというのだろう。
目を点にする小鳥。
「ヤバイ。ホント、マジで。なにこれ、おいおい…」
声は落ち着いているし表情もあまり変わらないが、カロンは今かなり動揺しているようだ。
瞬きの回数が多くなる。
「……ペットに欲情とか、初めてなんだけど」
「え…?」
「ああ、違った。ペット候補か」
カロンの指が伸ばされ、首輪のリボンに触れた。
「カロンさん…?」
特別なペットのためにと頑張ったお手製の首輪。
その力作のイメージにピッタリの小動物が、首輪をつけた状態で小首を傾げ上目遣い。
「……萌え」



