血を見るのもだいぶ慣れてきた。

食堂の壁やテーブルに飛び散った血はやはり苦手だが、少なくとも、こうしてシャツに付着しているものを見る分には動揺しない。


「慣れって恐ろしいな…」


「何に慣れてきたのかな?」


「えっ!?あ、静理さん!」


振り向けば静理がいた。

「頑張ってるね。シャワー浴びたいんだけど今いいかな?」

「あ、はい!私のことは気にせず、どうぞ!」

小鳥はクルリと背を向けて洗濯機の方を見た。

洗濯途中だから出て行くわけにもいかず、これが精一杯だ。


「ありがとう」

クスッと笑う静理。

彼は遠慮なく服を脱ぎ始めた。


(うう~…)


気にしなければいいのに後ろの静理を意識してしまう小鳥。

彼女は固まったまま静理が風呂場に入ってしまうまで待とうと決めた。