泣き顔を見られたくなくて俯くと、ルカの腕が小鳥の身体を包み込んだ。
「なら…俺が傍にいてもいい…?」
微かに震えるルカの腕。
「俺は、小鳥の傍にいたい!独りぼっちが嫌なら俺が一緒にいてあげるから…だからっ」
――離れていかないで…
本音がこぼれた。
本当はどこにも行かせたくない。
ずっと捕らえて放さないで、自由を奪ってしまいたい。
「お願い……一緒に、地下へ帰ろう?」
懇願めいたルカのお願い。
しかし、小鳥は首を縦に振らなかった。
沈黙して返事を躊躇っている。
「小鳥、ねえ……帰るって言ってよ」
「わた、し……」
まだ、迷いがあるようだ。
ルカは小さく笑った。
「そう……。やっぱり、あの記憶が邪魔をしてるんだね…」
ならば――。
「また、消してあげるよ」
抱きしめる腕を解放してから、彼はポケットに潜ませていた白薔薇を取り出した。



