EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ



 どのくらいエレベーターに乗っていたのかは曖昧過ぎてわからない。

確かなことは、非常に長かったということ。


(こんなに乗ったの、初めて地下に行った時以来かも)


緩やかに停止したエレベーターの扉が開かれる。

降りた先は、真っ直ぐに伸びる細長い廊下だった。

「ここは?」

一歩前に進むと、廊下の壁についている小さな電球に灯が点った。

そのほの暗い明かりを頼りに周囲を見回す。

すると、廊下の右側に一定の間隔で窓が続いていることに気がついた。

しかし窓の外は真っ暗で何も見えない。


「こっち」

残念に思っていると、再びルカに手を引かれた。

真っ直ぐ伸びる廊下をコツコツと歩き、廊下の半ばくらいまで来たところで、左側にあるドアへ向き直る。

ルカは無言でドアを開けると、室内へ進んだ。

ついて行くしかない小鳥も共に中へ。

入った瞬間、自動で明かりがついた。


(わっ…何この部屋…)


壁にビッシリと飾られた絵画。

肖像画もあれば宗教画もある。

そこは絵画のための部屋――ギャラリーだった。