「ぐわっ!!」
突然、叫びを上げた眼鏡の青年。
見ると、彼の背後にオーレリアンがいた。
青年の首筋に無表情で注射針を突き立てている。
「なっ、なにを……打った…!?」
「闇人の皮膚細胞を破壊するウイルス。死にはしないよ。まあ…見た目は悪くなるけどね」
言い終わった時、青年の身体に異変が起きた。
「ああっ!!あ、熱いぃ!!あ゙ぁあ゙ああっ!!!!!!!」
ジューッという何かが焼けるような音と共に、青年の皮膚がどろどろと溶けていく。
「ひっ!ひいぃい!!!!」
見ていたオールバックの青年は悲鳴を上げて転がるように部屋から出て行った。
あまりの光景に小鳥も目をそらす。
すると…。
「メスブタ、よく見とけ。僕らは太陽に当たるとこうなるんだ」
オーレリアンの声に小鳥はピクリと反応した。
(太陽に当たると…こうなる…?)
そういえば、吸血鬼は日の光が苦手という説がある。
「太陽光線を浴びると皮膚細胞が破壊されて全身が爛れ、腐り、朽ちる。それが闇人。人間より身体能力は優れてるし血液さえ吸ってれば長生きするから無敵のように思えるけど、実際は人間よりも格段に脆い」
オーレリアンは自嘲するような笑みを浮かべた。
「太陽を恐れずに生きられるお前達が……うらやましいよ」
何を思ったのか、彼は一瞬、悲しげな眼差しを小鳥に向けた。
「オーレリアンさん…」
どう受け止めるべきか戸惑い、言葉が出て来ない。
そんな小鳥にツカツカと近寄ると、オーレリアンは彼女の手を引いてその教室を後にした。



