「その用事って、これだろ?」
眼鏡の青年が床に転がっている血液サンプルの残骸を蹴った。
「なっ……それ、お前がやったの?」
「くくっ、生意気な君にはこれくらいのお灸が必要だろう?それと…」
彼は小鳥の血液が入っている採血管をオーレリアンに投げ渡す。
「何?これ」
上手くキャッチしたオーレリアンは、訝し気に採血管の中の血を見つめた。
「この人間の血だよ。サンプルダメになったんだから代わりにそれ使えば?」
「メスブタの、血…?」
オーレリアンの声には、微かに驚きと困惑が混じっていた。
が、次の言葉は打って変わって酷く冷めたものだった。
「……不愉快だ」
言うが早いか、オーレリアンは白衣の胸ポケットから注射器を取り出す。
「まだ試作段階だけど、丁度いいからお前らで試してやるよ」
次の瞬間――オーレリアンの姿が消えた。
少なくとも小鳥にはそう思えた。
(あれ!?オーレリアンさん、どこに…!?)
目をキョロキョロ動かしていると…。



