「こ、コウモリ!?」
白魔の手にちょこんと乗ったのは、雀くらいの大きさのコウモリだった。
「コロンビーナっていうんだ。可愛いでしょ?」
大人しいその子を小鳥は近くで観察した。
確かに、つぶらな瞳がクリクリしていて愛らしい。
「コロンビーナは僕に懐いていてね。外出する時は道案内をしてくれるんだよ」
「道案内!?頭が良いんですね」
驚く小鳥に白魔はニヤリと笑ってからコロンビーナへ向き直る。
「コロンビーナ、今日は人間居住区に行きたいんだ。いつも通り、車の手配を頼むよ」
白魔が優しく語りかけると、それに返事をするように一声鳴き、コロンビーナは再び飛んでいってしまった。
そして、しばらく待っていると、歩行者一人いない静かな道路にガラガラと車輪の音が響き始めた。
音が近づくに連れ見えてきたものは、馬車ならぬ二頭の黒ヒョウが引くヒョウ車だった。
御者はおらず、黒ヒョウを先導しているのは先程のコウモリ――コロンビーナだ。



